二郎系ラーメンから地獄へ
歳を重ねると体のいろんなところが悪くなってくる。血圧、尿酸値、血中脂肪、血糖値などなど。俗に言う生活習慣病は、体重を減らすこと(=食事制限)が改善策だと分かってはいても、なかなか本腰を入れて取り組みことができない。食事を少しばかり減らしたところで若い頃のように数値にはなかなか反映されてこない。
そんな慢性的な生活習慣病の申し子であるこの私、ちょっとやそっとの不健康では驚いたりしなくなってきているが、今年の健康診断の結果には肝を冷やした。
検便で鮮血が認められるとのことである。検便で健康診断の結果に引っかかったのは初めてである。うちの親父が大腸がんにかかったこともあるし、食生活が最悪である私には嫌な連想しか湧いてこなくなった。
今回の衝撃のニュースは、二郎系ラーメンを食べに行こうとしたところ、たまたま郵便受けに入っていた健康診断の結果をみてしまったことに事を発する。結果の悪さに二郎系ラーメンを食べる気はすっかり失せてしまい、気がついたらPCで大腸内視鏡検査ができる病院を探しはじめていた。
Googleの評価や自宅から近いところでよさげな内視鏡専門クリニックをその日のうちに予約した。二郎系ラーメンからの内視鏡検査。まさに天国から地獄である。
結果を見たその日にクリニックへ
大腸内視鏡検査を受けるには、かんたんな診察と検査前の準備の説明を聞く必要がある。私は健康診断の結果を受け取ったその日に、内視鏡検査(3日後)と診察(当日)の予約を取ったのであった。
健康診断の結果ショックの勢いのまま、クリニックを訪問。診察は特に自覚症状がなかったので、健康診断で鮮血が認められた旨を話ぐらいのシンプルなもので終わった。
診察が終わり多少冷静さを取り戻すと、今度はお尻から内視鏡を大腸に入れるという前代未聞のイベントを前に結構な恐怖を覚えた。Google検索で検索HITした大腸内視鏡の体験談は決してポジティブなものだけではない。「検査中に痛みを感じた」、「痛みで途中で止めた」のようにネガティブなものも少なくない。勢いで検査を予約したのを後悔した。せめて来週にしておけばよかったと。
検査前の壁「下剤」
大腸内視鏡検査の大きな壁の一つは検査前の下剤である。検査前日の夜に粉の下剤を飲み、検査当日に便がきれいになるまで、下剤と水を交互に飲み続けるという苦行を行う必要がある。
サルプレップという下剤は、ペットボトルに入っておりそのまま飲むことができる。このサルプレップの味が結構なものである。グレープフルーツのようなフレーバーだがフルーツのそれとは程遠く、コイツを大量に飲むのが本当に厳しかった。
最初はコップ1杯のサルプレップを10分かけてゆっくり飲み、その後にその2倍の水を飲む。この繰り返しを便がキレイになるまで繰り返すのだ。4時間前から飲み始めるのが推奨されているが、飲むのに時間がかかるのでもう1時間ぐらい早くてもよさそうだ。
そして、検査へ
下剤を大量に飲み繰り返し便をしたせいでお尻がすでに痛くなっていた。そして、おしりからカメラを入れるなんて経験は初めてだったので、緊張は極度に達していた。検査前にトイレに行き小を済まそうと思ったが、緊張のあまり小をする際になぜか局部に激痛が走り、後ろも前も痛みでヘロヘロな状態で検査に挑むことになってしまった。
お尻が空いた紙パンツを装着したなんとも頼りない姿で鎮静剤を点滴投入。不安な心持ちのまま検査台に横になった。検査しやすいように横を向いて膝を軽く折り曲げた状態にフォームチェンジ。そして眠くなる薬を点滴した後は記憶が曖昧になっていた。検査中に「ポリープが小さくて取りにくいな」とか、「あー取れた」みたいな声を聞いたような気がするが曖昧な状態で気がついたら検査が終わっていた。
検査後、漫画喫茶のソファ席のようなところで30分程度待機し、その後検査の簡単な説明を聞いた。検査中、5個ものポリープが発見されそれらを削除したとのこと。取ったポリープは生検に出し良性のものなのか、悪性のものなのかを2週間後にクリニックに来る必要ができてしまった。
大腸内視鏡検査は怖くない
生検の結果、悪性のものはなかったが、悪性に変わる可能性があるものも含まれていた。大腸のポリープは時間が経つと大腸がんに変わる可能性が高いらしく、ポリープは見つけたら削除するのが最適だとのこと。
始まる前の恐怖は大変なものだったが、鎮静剤のなかので内視鏡検査はスムーズに終わることが分かった。これからは定期的に大腸内視鏡検査を受けようと思う。